“MCバトル”という僕にとっての青春について語らせてほしい 第三章
どうもKantabileです。
これまでの記事はこちら!
さて、前回の記事に関しては少し好きすぎるが故にかなりマニアックになってしまったので今回は簡略に説明させていただこう。
3つ目は 大会ごとの色の違いについてである。
さて、いきなりですが質問です。
皆さんが好きなスポーツでの場面はいったいどんなものだろうか?
北島康介が金メダルと取って「何も言えねえ」と発言したとき?
それとも、霊長類最強のあの人が相変わらずの強さを見せた時?
もしくは、 人によっては日本がサッカーで敗北をした際にとても悔しい思いをして印象に残ったなどもあるだろう。
で、そういった違いというのは
「各個人がどのようなもの or ことに焦点を当てているか」
だと思います。
前述した例でいうと...
北島康介... 「その一場面がどれだけキャッチーか?」
吉田ネキ... 「スポーツ選手が持つ圧倒的な強さ」
サッカー... 「スポーツそのものがもつ面白さ、筋書きのないドラマ」
などといったものがスポーツ鑑賞の際の好み or キャッチーさにつながっていると考えます。まあもちろんその選手個人が好きという場合もありますが。
つまり、スポーツを筆頭とする様々な常人離れしたショーを見る際に求めるものは人によって違うし、それぞれにあっているショーがあると思うわけです。
野球観戦の時にもビールだけ飲んで野球見てないおじさんとか、おいしい食べ物で嬉しそうにしている若い女性とかいるでしょ。それと一緒。
これはMCバトルに関しても同様です。
だから、まず一つ
この記事を読んでくださっている皆さんには、それぞれの人にあっているバトルや面白いと感じるバトルがある!
と思います。
というわけでいくつか大会(大会を代表するベストバウト)紹介するんで、
「ヤッバwwww」とか「お、良さそうやん」っていう大会あったら見てみてくださいね
では、
1. ULTIMATE MC BATTLE(UMB)
前回の記事でも説明したUMBです。
簡単に言うと「MCバトルの全国大会」
全国の全ての都道府県で予選が行われるために地方を背負っているMCによる
非常に熱いバトルを見ることが出来ます。
この大会のすごいところは何といっても外れがないところ!
正直最近ネットでは出場MCのレベルが下がっている とか 昔のUMBのレベルの方が高かったとか揶揄されていることも非常に多い。
個人的には確かにそのような点も否めないです。自分も見に行ったけど1回戦とか正直しょっぱい試合も多かったかも。
でも結局ドラマティックな展開が最終的には生まれてしまうんですよね。
そういったドラマティックな展開が好きな方はこれおすすめです。
毎年 年末に新木場で全国大会開かれるのでチェックです。
2. 戦極MCバトル
おそらく今一番勢いがあるのはこの大会ではないでしょうか。
この試合は簡単に言うと「MCのオールスター全員集合」って感じですね。
初心者の方が最初に行ってほしい大会一位ですね。
たぶん出場してるMC達のうち一人はフリースタイルダンジョンを見ている人なら知ってます。 だから楽しめるはず。
この大会のすごいところは様々な新しい試みを実験的に行っているところ。
例えば3 on 3と呼ばれるチーム戦がMCバトル黎明期にはあったわけですが、その後退廃
しかし、改めてこの大会が主催したところ再び人気が上昇。
他にもU-22 MCBATTLEという22歳以下の若手MCへの焦点を当てた大会を開催したり
CINDERELLA MC BATTLEという女性MCバトルの大会を開いたり
尚且つバトルだけでなく、オリジナルのバトル用ビートアルバムを出したり、LINE MUSICでの配信権利をかけた大会をしたり...
本当にいろんな人に見てもらいたいし、MCバトルを広げようという熱意が伝わる大会です。とにかく多彩。
「バラエティに富んだMC or 大会が見たい」という方におすすめです。
3. KING OF KINGS (通称KOK)
最近のMCバトルを語るうえで外せないのがこの大会でしょう
まさに、最強決定戦
出てくるMCも大会の名前通りそれぞれの大会のキングしか出場できないために非常にレベルが高く、面白い大会です。
この大会の良いところは非常に進行がスムーズであり尚且つとても濃い試合を見ることが出来るというところ。
なにより優勝した際の賞金は。UMB・戦極が100万円なのに対してこの大会は...
300万円!!
どのMCもまったく容赦無用。とことんつぶしに行くっていうのが面白い。
質が濃く、ハイレベルな常人離れしたスキルを見たい方にはお勧めです。
番外編:THE罵倒
バトル初心者には全くおすすめできないですが、一応お伝えしたいのでこの大会を
簡単に言うとこれまでが、全国大会、オールスター、最強決定戦だとしたらこれは「バッチバチの乱闘」
出てるMCもいかつい人多いし、芯が通っているMCが多くいる印象。
これを見ればわかります。うん。いかつい。
(でも昨年で一時終了とのこと。個人的に大好きだったので非常に悲しいです。)
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というわけで全三回にわたってMCバトルの面白さ、また、様々な人に見てもらいたいポイントを説明させてもらいました。
で、なぜこんな記事を書いたのかというと。
”MCバトルが現在ピンチだから”です。
一昨年~昨年にかけてテレビ朝日で放送されている番組
フリースタイルダンジョンが大きくバズり、様々な人にMCバトルが知れわたり、それと同時に様々なMCの知名度が上がりました。
番組でレギュラー出演をしていたモンスターたちはMusic Stationに出演して曲を披露。
自分自身も番組を見た友達からバトルが面白かったという感想をもらったり、本当に地下のアングラであった文化が、少しでも一般の人々に根付いたのだなと嬉しく思いました。
また、自分自身もこの番組でのMCバトルを見て、「自分でもできるのでは?」とインスパイアされラップをはじめ、HIPHOPの端くれで活動している部分もあります。
フリースタイルダンジョンがHIPHOPのすそ野をひろげてくれました。
が、
現在となってはSNSでもフリースタイルダンジョンに関する話題をめっきりと減り、尚且つ、バトルが多く開催されすぎるためにMC・大会の数は飽和状態になっているように思います。視聴率も下がっているとか。
また、フリースタイルダンジョンを見ている人たちも画面上で満足してしまい、実際に見に来ない、また、Youtubeなどでのコメント欄での過度なMC批判も最近では多く、見逃せないところです。
これは自分自身が最近感じていた感想ですが、どうやら僕だけが感じている危機感ではないようです。
先ほど挙げた戦極MCバトル主催の"MC正社員"氏もおなじことを感じていたようで先日遊びに行った大会で
「MCバトルは、皆さん感じてないかもしれないけれどもピンチだと思う。」
「皆さんの協力が必要です」
という旨の発言をしていました。
あるMCがバトルで言っていた
「文化が文明に食われる」ということが現実になろうとしています。
これが現状です。悲しいけれども。
だから、今回このような記事を書いて、もっといろんな人に自分が救われたMCバトルに興味を持っていただきたいなと思いました。
一過性のブームで終わらせたくない。MCバトルから楽曲、そしてHIPHOP全体に興味を持ってほしい。なんなら現場で一緒に少しのお酒でも飲みながらバトルを見て笑っていたい。様々な思い出があるクラブにつぶれてほしくない。
そして何より、自分が楽しんでいる文化への恩返しがしたい。
そのような思いで書かせていただきました。
自分自身もMCとして、ヘッズとして、また一ブロガーとしてこのような問題へのかかわり方を考えています。
だから、皆さんへお願いです。
この記事を読んで、今の現状を知ってください。
あと、Youtubeだけで満足してる人は絶対現場に来てください。
きっと現場に行ったあなたは入場料以上のものを楽しんでくれると思います。
後悔はしないと思います。
一人で寂しいなら見に行きましょう。 自分も一人で行くの寂しいから。
楽しい話でもして楽しみましょ。
結びに、この記事がラップに全く興味のない人、また、MCバトル関係者、バトルを愛するすべての人に見てもらいたい、拡散してもらいたいというのを最後に終わらせていただきます。
自分もラッパーとして精進してラッパーとしてこの文化に貢献できるように頑張ります。
Kantabile