Kantabileさんの日常

某大学に所属する大学生のゆるふわな毎日。日本語ラップやMCバトルについての解説記事。その他自分の好きなことを発信してます。

「韻マン」についての研究 ~語感踏みとは~

みなさんは「韻マン」をご存知であろうか?

 

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知らない方から見てみると、なんだか未確認生物のような名前であるか、もしくは戦隊ヒーローのうちの一人のような名前のように思えるだろう。

 

 

ですが、実際そんな人物ではない

『韻マン』は様々なバトルを中心に結果を残しているMCのうちのひとりである。

いや、あえてMCといわないほうが。リスペクトは伝わるかも。だって韻マンだもの。

 

youtu.be

 

上記のように言ったのは彼のラップのスタイルに潜んでいる

 

普通のMCであったら、バトルMC達は基本的に相手の言ってきた言葉に対して、アンサーを返すのがふつうである。というかそれがあってのMCbattleである。

 

しかし、このバトルからも分かると思うが、ほとんどアンサーをせずに、とてつもない長さの韻を豊富なボキャブラリーから引き出し使っているのである。

 

DJはゆの、用意は周到、オリジナリティーが極めて重要

決勝はびこる関西予選、俺が優勝してざまあみそづけ

対 T-TANGG U-22 第四次予選 決勝から引用

 

名の通り、ラッパーではなく"韻マン"としてのオリジナリティを見せている。

 

 

彼自身も、このバトルの中で自分のスタイルについてこのように言っている。

 

”俺は韻マン、韻が好きだからただ踏んでるだけ”

 

といっている。彼は本当に全くその信念から外れておらず、バトル以外にはほとんどっ顔を出さない生粋の韻マニアなのである。

 

 

 

そのあまりに長すぎる韻に我々はすごいという感情を通り越して笑ってしまう。

 

youtu.be

↑例えばこの動画なんか見れば彼のぶっとび具合が分かるはずですよ!

 

一番僕が衝撃を受けたのがこの動画の最初にもあるこのライン。

間違いない。そう。ドンペリヘネシー(oneieei)

暗殺される。ジョン・F・ケネディ

調停のベルにここでとどめの一撃

韻に特化したまるでホメオティック遺伝子

 

えぐい。えぐすぎる。

 

また、彼の強いと個人的に感じるところは、あまりの韻の踏み方がすごすぎるために相手がアンサーが何も返せないことだ。それに加えて、内容がなくても全く問題なくすごいのでアンサーが思いつかない。

 

 

しかし、最近周りの友達などからよく聞かれる。

「すごいのは分かるんだけど、韻マンって韻踏んでるの?」

「どこの部分でどれだけ韻を踏んでるか分からないんだけど。」

 

 

そういっているみなさん。鋭い。

彼はいわゆる「韻の濃度」といった意味では高くはないのである。

www.fumu.in

 

例えば。

先ほど挙げた。

「とどめの一撃」と「ホメオティック遺伝子」について母音で分けると

 

と ど め の い ち げ き

o   o  e   o   i   i    e   i

 

ほ め お てぃ っく い で ん し

o    e      o      i           u        i       e     u     i

 

こう見てもらえばわかると思うが、母音の一致度に関しては非常に低いのである。

 

そう。実は、彼はただの韻の踏み方はしておらず、彼だけがなしえる「語感踏み」をマスターしている人物なのである。

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で、自分はこの「語感踏み」についてめちゃめちゃかっこいい...と思ったので、なんとなくですが自分なりに法則を見つけました。

 

みなさんにも、彼のヤバさを分かってもらう、そして、語感踏みについて理解してもらうために 「語感踏み」を解説します。

 

 

 

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1. 語感踏みがなぜ成り立つか

 

まず、前提として日本人というのは文字と実際に発声している音が全く違う場合が多いと自分自身感じています。

 

例えば、

「おはようございます」っていうのも

「おざぁす」っていうパターンの人がほとんどじゃないでしょうか。

 

他にも。「すいません」を「さーせん」という言い方を実際していますよね。

 

こういった感じで。簡単に言うと。

 

他にも略語好きな日本人は短縮する言葉をよく使います。

 

長くなっている言葉の"最初の数文字+最後の数文字"が一緒ならば,

たいてい一緒に聞こえてしまうわけです

 

そして、彼はそのような法則を韻にも用いているわけです。

と ど め の い ち げ き
o o e o i i e i

ほ め お てぃ っく い で ん し

 o e o i u i e u i

 

だから、正直最初の部分(頭韻)と最後の部分(脚韻)のどちらもピッタリとあっていれば間の部分が多少ずれてもOKということですね。

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尚且つ、普通のMCは最初か最後のどちらかしか合わせない人が多いのでより一層魅力的に聞こえてしまうのでしょう。

 

最初で踏むことが多いラッパーとしては漢a.k.a GAMIさんや呂布カルマさん。

 

最後で踏むラッパーとしては裂固さんやFORKさんなどがいますね。

 

 

そんな中で韻マンはなんと「韻の二刀流」なわけです。

 

まさにホメオティック遺伝子ですね。

 

で、自分も真似してみるとすれば

間違いない。これがカンタビレのブログ

完全なる興奮。まるでサイボーグ。

バンタム級タイトル。犯罪係数50

暑い夏マリブハイコーク。

といった感じで。やっていけばいいわけです。やはり本人にはかないませんが。

 

韻が固さだけではないことが分かりますね。さすが『韻マン』

 

 

 

2.彼のリズム感、発声法について

 

彼のバトルとなると韻ばかりに注目されがちですが、彼のリズム感も相当並外れたものを持っていると自分自身思っています。

www.youtube.com

このバトル動画においても

 

早いビートであっても、トラップ系のビートであっても必ずそれぞれのフレーズをきっちりと小節の最後に落としているんですよね。

 

リズムがずれているバトルを見たことがないです。

 

そして、もう一つが発声法です。

本来であれば母音がずれている "ai"を"e-"っぽくいったりであるとか、うまい声の出し方をしている部分も非常に多いです。

 

そうすることによって。韻がずれているのを、踏んでいるっぽく振舞うことが可能なんですね。 素晴らしい。

 

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いかがでしたでしょうか?

 

改めて彼のすごいところを知ったうえで彼のバトルを見たらよりヤバさが分かるんじゃないでしょうか。

 

あと、本人がバトルで俺の韻は解説できないといっていたので、おそらく彼にしかわからない独特のセンスがあるんだと思います。

 

とりあえず、名前に韻がついている『韻マン』に韻で勝てることは我々にとって一生ないと思うので、今後も活躍してもらうことを期待しましょう!!

 

 

以上Kantabileでした。

 

 

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