フリースタイルダンジョンのラスボス「般若」の引退について。
先日、5月7日放送のフリースタイルダンジョンで。重大発表がなされた。これに関してはその前の週から予告がなされていたのですが、これまでダンジョンモンスターズの中でラスボスを3年半以上務めてきた般若がラスボスを引退するとのことである。
まだ、放送を見ていない人はこちらのAbema TVから見てほしい。
番組冒頭から「衝撃の発表が」などといったように様々な煽り文句が並べられていたが、自分からしたら全く予想外な発表ではなく、むしろ予想通りであった。
まず、これまでの般若のフリースタイルダンジョンにおける実績を振り返ってみると。2015年から始まった番組において唯一変わっていないモンスター陣営の人物であり、初代モンスター、そして、二代目モンスターが破られた際の最後の門番的な立ち位置として戦ってきた人物である。これまでの戦績は6勝3敗であるとのこと。
最初にラスボスとして登場したのはSeason1 Rec2の際の焚巻戦。二回目の収録にしてCHICO CARLITO氏によって4人目まで到達、そして、勢いをもっていた焚巻によって鉄壁であり当時UMB三連覇した直後であったR指定もクリティカル負け、結果4人討伐され、ラスボスの般若までたどり着かれたのである。
二回目の収録にしてチャレンジャーvsモンスターという構図が少し崩れつつあった。おそらく番組側としても予想外であっただろう。そこにUMB2008で優勝して以来実践復帰は7年ぶりである般若がラスボスとして立ちはだかったのである。その姿はまさに、ラスボスそのものだった。
上半身の筋肉のように引き締まった彼の心と、7年の空白をブランクではなく修業期間であると捉えさせてしまうほどの彼の言葉は、相手の胸元に突き刺す剣でも、相手の眉間に打ち込まれる弾丸でもなく、地面全体を震わせる振動であった。ぜひともあのバトルは現場で見たかったものだといまでも感じる。
尚且つ、彼は自分自身が身を呈して「ダンジョン」という城を守るだけではなく、周りのモンスターたちとのケアも欠かさない人物であるそうだ。
初代モンスターの卒業式の際にZeebra氏がこのようなコメントを残していた。
もうOne and onlyですよ。モンスターのチームワーク それも作ってくれたのは何よりも般若だと思うし。般若がみんなに「こうしよう ああしよう」本気で言ってくれた事によって みんながひとつになったと思ってます。
はっきり言って あなたにしか出来ないっすよ。
そう。このフリースタイルダンジョンの主人公は。チャレンジャーであり、ラスボス般若でもあったのだ。仲間をまとめてより一層強くなっていく初代モンスター、そして、立て続けに100万円をとられたあとに、もう一度立て直すことが出来たのも。おちゃらけつつも芯を保っている般若という柱があったからではないか。
そのようなチームプレイは音源にも表れていた。様々なモンスターとのコラボ楽曲を作り、様々な面で活動を精力的に行っていた。行いすぎなぐらいかもしれない。
正直な話だが、DOTAMAと般若などといった人物は全く真反対にある。それにも関わらず、曲を作るのはモンスターという集団がなければ無理だったであろう。
そんなラスボスであり、精神的支柱となっているキャプテンであり、常に先頭にいた般若の引退である。
まだ詳しい要因は話されていない(もしかしたら話さない)かもしれないが、このような形での引退はフリースタイルダンジョンという番組に彼が本気で打ち込んでいた証かもしれない。
般若のラスボス引退に関しては以前からネット上で何度もうわさとして挙がっていた。
また、Youtubeのコメント欄などでも
「般若よりもR指定の方がうまい。」などといった言葉を頻繁に目にした。これに関しては勝率という数字ではR指定の方が高いから何とも言えないが。
しかし、般若というラスボスは
「勝つこと」ではなく「与えること」を常に行ってきたからこそラスボスだったのでは
ラスボスとしてバトルに臨む際には勝ち負けだけではない様々なアティチュードを相手に感じ取らせ、相手が納得する勝ち方を仲間たちに見せる。尚且つ、視聴者にはバトル以外の部分ではラスボスルームといった形で笑いを与える。まさにエンターテイナーだった。シャイでありながら心に熱いものを持っていることは私たち視聴者、そしてすべてのダンジョン関係者が受け取っただろう。
ダンジョンという番組以外でも、武道館での公演を行い、客演として様々なアーティストをよぶなど。背中で語るという姿勢に胸を震わされた。
般若 /2019.1.11(金) ワンマンライブ「おはよう武道館」
2代目のラスボスはR指定 from Creepy Nutsになるという。
おそらく視聴者は彼がどのようにして般若の気づいたラスボスを引き継ぐかということに着目するだろう。
しかし、私は願う。R指定は般若とは違うラスボスの姿勢を見せてほしいと考える。般若というエネルギーの塊のような人物から受け取った影響を様々な部分で彼なりに昇華し、今度は「与える」ことでダンジョンを守った般若とは違った、「とにかく強い」R指定というラスボスもいいのでは。
ラスボス像というのはあくまで自分の希望なので彼自身が新たなラスボスとしての在り方を見つけてくれると自分としては非常にうれしい。
来週の放送はそんな般若vs R指定だという。フリースタイルダンジョンに感銘を受け、フリースタイルダンジョンからラップを始めたヘッズの自分は固唾をのんで見守りたいと思う。
最後の戦いで「ラスボス・般若」が与えてくれるメッセージを全力で受け取ろうではないか。あの頃じゃない、尖っていた般若が得た仲間というものを見せてくれるのでは。